いつも親の顔色を伺って生きてきた方は、「人の期待」に応えようと頑張りすぎるようです。
私自身そのようなところがあるので、お気持ちはよ~く理解できます。
ただ私の場合は母が子供に無関心だったので、はなから期待されてもいませんでしたが…。
そのため、母の気を引こうと、必死に気に入られるようなことをしていました。
要は”ご機嫌取り”をさせられていたってことですね。
今なら分かりますが、母は無意識に私をコントロールして、自分の要求を通していたのです。
無意識にコントロールされていた私は、大人になってもやはり「人の期待を裏切ってはいけない」と、無意識に思い込んでいました。
そんな中、病気をきっかけに自分のエゴ(思考の偏り/無意識の思い込み)に気づき、日頃の感情反応に意識を向け、自己分析し続けた結果、徐々にその思いが薄れました。
自分は自分であって良いと、「自然な自分」でいることを自分に許可できるようになったのです。
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親離れできない原因と共依存の克服 にも少し書きましたが…
私たちは「人の期待に応えなくてもいい権利」を持っています。
ただし、これは「自分勝手に生きていい」という意味ではありません。
「意思決定」を自分の責任で行う大人としての行動原則です。
自分の幸せは自分で創るもの。
親や周囲の人が自他の線引きをしない人であれば、あなたが責任を持って自他の線引きをすれば良いのです。
ところが相談者さんの中には、自分でできることもやらず、文句ばかり言ってラクな道を選んでいる人もいます。
おそらく線引きすることのデメリットを恐れているのでしょう。
「何かを失う恐怖心の反応」だと思いますが、意外と何とかなるものですから、安心して線引きしてください☆
人が成長するときには痛みが伴うもの。
あなたが恐れているのは「成長痛」です。
自分が自分であるために必要な成長を恐れないでください。
相手を悪く言ったり、相手に怒りを感じるくらいなら、あなたが大人になって「人の期待に応えなくてもいい権利」を行使すればいいのです。
人に振り回されるのは、あなたにも責任があります。
他人を責めないためにも、必要があれば、自分で自他の線引きをしましょう☆
自立(エゴを克服)して、はじめて人は自由になれます。
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最後に、心理療法の一つである「ゲシュタルト療法」の思想が反映された『ゲシュタルトの祈り』という詩をご紹介します。
私は私の人生を生きる
あなたはあなたの人生を生きる
私はあなたの期待に応えるために存在していない
あなたも私の期待に応えるために存在していない
私は私 あなたはあなた
縁あってお互いを見つけ出せたら素敵だけど
そうならなくても、それはそれで素敵なこと