子供に依存する「生きる目的が無い親」

親子関係
この記事は約5分で読めます。

生きる目的が不明確な中で、欲望が肥大化するから暴走する。行動はその裏にある動機を強化し、行動の選択はその裏にある世界観を正当化する。

ジョージ・ウェインバーグ

「自分の人生」を築いて来なかった親、「生きる目的」を実感できていない親は、「子供の人生」を使って「自分の人生」に意味を見い出そうとします。

なぜなら「本当の自分」で生きていない人は、心の虚しさ(エゴ/不安/欠乏感/無価値感)が反応して他人に依存したくなるからです。

たとえば、育児や介護など特別な事情がない専業主婦の方は、子供の人生に首を突っ込む過干渉の傾向を感じます。

自分の心の問題(不安と欲求不満)を子供に投影して、余計な世話焼きを〈仕事〉にすることで不安を解消する「典型的な家族依存症」です。

家族を使って自分の存在意義を見出している人は、問題がないところに問題を作り出したり、嬉々として「”家族のため”に頑張る私」を演じていたり…。

仕事は「自己表現の手段」ですが、「母親」や「妻」は家庭内の役割でしかないので、本人のアイデンティティにはなり得ません。

専業主婦でも、家庭外で自分の世界を持つ人に比べて、人付き合いが少なく「自己表現の手段が家庭に限られる人」は、夫や子供にしがみつきがちです。

例えば、子供を心配するつもりで、余計な口出しをして嫌われてしまう親は、心配する動機に「自分の居場所」を確保したいエゴが隠れていることもあります。

そもそも、「役割」でエゴ(欠乏感・無価値感)を満たそうとすること自体が間違いなのですが、エゴを克服して自立する前に親になると問題が複雑化しています。

では、仕事を持てば子供に依存しなくなるかというと、それほど単純な話でもありません。

働く親の中にも、「劣等感」から仕事のストレスを子供に八つ当たりしたり、仕事を言い訳に子供と向き合おうとしない「無関心な親」が大勢いるのも事実です。

「家族のため、自分なりに一生懸命やってきた」「仕事が多忙で家庭を大事にできなかった」と仰る方もいますが、お子さんにとっては言い訳にしか聞こえないでしょう。

仕事の有無で「執着や依存の表れ方」に多少の違いはあるものの、子供を虐待することに依存する親は、虐待が生きがいになっているのです。

特に、夫婦間の愛情が希薄な親ほど子供をいじめてストレス解消しており、自己愛性人格障害などの薄情な親は、子供に「存在するな」と非言語的メッセージを出して、子供の生きる力を奪います。

詰まるところ「生きる目的」が不明確な親が、自分の「心の問題」を解決するために、無意識に子供を巻き込んでいるのではないでしょうか。

これまでの人生で、自分の「心の問題」を直視して来なかった親が、子供を利用して孤独感や劣等感をごまかしているだけです。

お子さんを自分の”作品”や”成果物”のように見ていませんか?

お子さんに対する評価が母親である自分の評価だと思っていませんか?

お子さんに関心や愛情が持てない自分をごまかしていませんか?

舅姑(きゅうこ)へのリベンジにお子さんを利用していませんか?

夫婦の信頼関係が築けない問題を見て見ぬ振りをしていませんか?

私たちの心は、子供の人格から大人の人格に成長して、生まれ持った能力や可能性を発揮する自己実現を望んでいます。

禅用語で全機(ぜんき)と言いますが、生まれ持った機能を発揮している状態が、人間にとって最大の幸せです。

ところが、自分のエゴを認めたくない親は、人格の成長を放棄し、家族を犠牲にしてエゴを解消しています。

結婚したかった理由、結婚相手を決めた理由、子供が欲しかった理由に思い込み(エゴ)はありませんか?

人間は「成長」することで初めて自由になれます。親が自由になれば、お子さんも自由を獲得します。意識を家族ではなく「自分の心」に向けましょう。

親子関係に悩むお母さんのお話を伺っていると、生きる目的の不明確さをつくづく感じますが、「生きる目的」とは行動(何をするか)だけではありません。

出典:エックハルト・トール『ニューアース』

内面的な生きる目的
心の在り方 (自分が何者であるか)
◎全人類に共通する課題
◎自分の意識状態に責任を持つ
◎自分の至らなさを日常から学ぶ
◎ナルシシズムを克服する人格の成長

外部的な生きる目的
行為・行動(何をするか)
◎個人個人で違う課題がある
◎人生で何を築き上げるか
◎仕事・人間関係・結婚・子育て・趣味など
◎内面的目的と違い、外部的目的の課題は時と共に変わり得る

多くの人にとって大切な外部的目的である「結婚や子育て」も、人生に意味をもたらすために「他人」が必要となる非常に不安定な生き方と言えます。

ですから、外部的目的を安全に達成させる”土台”として、内面的目的(行動の動機・心のあり方)との調和が必要なのです。

他人を必要とする前に自分の人生に責任を持つこと。自分の機嫌は自分で取る自分の幸せは自分で創る。これが原理原則と心得てください。

他人に機嫌を取ってもらおうとしたり、自分の幸せを人任せにしないように。子供は親を幸せにするために存在しているのではありません。

具体的な心構えとしては、日常生活を通してエゴ(不安を避けるための思い込み・恐れている事)に気づくよう意識すること。

これは自分でコツコツやっていくしかありません。「他人は鏡」ですから、他人に不満を感じたら、それが「自分のエゴ」と認めて受け入れてください。

まずは人生の土台である「心のあり方」をしっかり築きあげる。その上で「仕事・人間関係・結婚」を行うことで、自分の感情や他人に振り回されない「豊かな人生」を築くことができます。

その反対に、行動の「動機」にエゴ/不安があれば、「現実」にもエゴ/不安が表れます。「不安」から逃れるために行動している自分に気づいてください

タイトルとURLをコピーしました