ある日突然家を失うリスク
その昔、司法書士受験生だった頃、実際にある相談事例として「元夫の住宅ローン滞納による差し押さえで家を失った」という話を聞いたことがあります。
依頼人の女性は養育費や慰謝料をもらわない代わりに、離婚後も元夫名義のマンションに生後数か月の赤ちゃんと住み続けていたそうです。
ところがある日、裁判所の執行官が突然やって来て、マンションが競売にかけられることを知ったとのこと。
司法書士の先生は「信頼関係が破たんしたから離婚するのに、元夫がローンを払い続けると信じるのは…」と仰っていたと記憶しています。
確かに私も、「この先、元夫も再婚するかもしれないのに、どうして元夫を信じたのだろう」と、不思議に思いました。
司法書士受験に挫折して、現在はスピリチュアルコーチングを行っていますが、同様のお話をクライエントからお聞きします。
離婚後も元夫や元夫の家族名義の住居に住み続けて、ある日突然追い出されるケースが意外とあるんです。
トラブルに遭う人の特徴
「離婚の話し合いで元夫がそれで良いと言ったのに!」と、悔やむ方が後を絶ちません。
もちろん、そのように言いたくなるお気持ちは理解できます。
でも・・・
「自分に都合のいい話だから信じたかった」というのが「本音」だと私は感じます。
というのも、このようなトラブルで共通するのは「依存心」なんです。
お話を伺っていると、子供の頃から「人に依存することで人に振り回されている」ことが、よく分かります。
人生の重要な場面において「自分の責任」で物事を決断せず、「あの人がこう言ったから」と人のせいにするエゴ(保身・生き方のクセ)が、苦しい現実を創り出す原因です。
そのエゴは今に始まったわけではなく、子供の頃からず~っと続いています。
責任から逃げるとトラブルを繰り返す

元夫が養育費代わりにしていいと言った

元義父が住み続けていいと言った
離婚で傷ついている時に「好都合な言葉」を信じてしまいたくなるお気持ちも分かりますが…
「自分がそれを決めた」という責任を引き受けないと、本質的に解決しないですからね。
最善の選択だと思った結果が「自分の期待通り」でないのなら、そう決めた動機(期待=エゴ)を検証しないと同じことを繰り返します。
ただ嘆いているだけでは何も得られませんから、エゴ(不安から生じた考え方のクセ)を克服して、本当の自分で生きるキッカケにしましょう。
今までもエゴを克服するチャンスを自分で捨ててきたから、大きなトラブル(=離婚)という形で現実に表れているわけですし。
人生の困難は「目覚まし時計」です。しっかりエゴを克服して、本当の自分で生きてほしいと願います。
エゴを動機に行動すると結果にもエゴが表れる
願望(エゴ)にしがみついて、慎重に考えられなかった「未熟な自分」を受け入れないと、未来は開けません。
私からすると、結果論ではなく、そういった状況になるべくしてなっていると感じます。
「自分らしい生き方を取り戻すため、苦境に立たされることでエゴに気づく体験」を、ご本人が必要としていたのです。
その証拠に、私が「人に振り回されたくないのなら、自立しか道はないですよ」と申し上げると、「そう言って欲しかったのだと思います」という言葉が返ってきますから。
ご本人もどうしてこうなったのか、うすうす分かっていらっしゃいます。
困難な状況は「自分らしい生き方」を取り戻すキッカケにすることができるんです。
実務的な救済も必要ですが、「心の問題」にも対処することで「本当の幸せ」につながると私は思います。