罪悪感を植え付ける人:特徴と対処法
最近、自分の要求が通らないと暴言を吐き、わめき散らす相談者が増えました。
支配欲(=不安)が強く、他人をコントロールしたがります。
他人が自分に合わせることを当然と思い込んでおり、罪悪感を植え付けることで「自分の要求」を通そうとするので厄介です。
アメリカの精神科医 カレン・ホルナイは、このような要求を「神経症的要求」と呼んでいます。
そんな「罪悪感を植え付ける人」の特徴は以下の通り。
①人の気持ちが分からない
②自分と他人の境界線が無い
③人の同情を引こうとする
④自分の感情が優先されて当然という思い込みがある
自己洞察力(自分の心の中を振り返る力)
メタ認知能力(自分を客観的に見て制御する力)
これらが乏しいことが、罪悪感を与える人の特徴です。
毒親も同じですが、「反省できない病」と言えるかもしれません。本人が自覚しないかぎり改善することが無いので、こちらが対処法を考える必要があります。
そこで大事なのが、基準となる「自分軸」を作ること。
❶「ここまではOKだけど、ここからはNG」という境界線(線引き)を明確にする
❷相手のペースに巻き込まれる前に、付き合う上での約束事「できること・できないこと」を伝える
相手が素直に従わない可能性もあります。もし、義務感や罪悪感を植え付けるようなことを言われても、気にしてはいけません。
自己中心的な幼児と同じで、自分の要求を通すために、あなたをコントロールしようとしてダダをこねているだけですから。「相手に嫌われたらラッキー」くらいに思ってください。
支配的な人へのおススメ対処法
自分の本心と向き合って「どうしたいか」を自問してください。あなたが優先すべきなのは「自分の気持ち」です。良い意味で「自分優先」になってください。
これ以上付き合いたくないと思うのであれば、徐々に距離を置きましょう。(急によそよそしくなると、相手が騒ぎ出すので要注意)
いきなり相手を遠ざけるよりも、自分から話しかけて自分から話を切り上げる対処法をお勧めします。相手のペースに巻き込まれる前に、自分のペースに巻き込むのです。
また、何かを断りたいときは「同じ言葉」を繰り返して余計な情報を与えない(反論されるスキを与えない)ようにしてください。(”壊れたレコード作戦”)
人の気持ちを理解する気が無い相手に、あれこれ断る理由を述べたり、こちらの気持ちを説明したところで徒労に終わりますから。
理由を訊かれても、「理由はないけどできないの。ごめんね」「どうしてもできないの。ごめんなさい」と、はっきり伝えること。
ここで弱気になって相手に従うと、後から怒りが湧いて来て、嫌な思いをするだけですからね。お互いの幸せのためにも、明確かつ上手な意思表示が大切。
むげに断るよりも、「お断り」プラス「あなたのことは嫌いではないですよ」という肯定的な態度で線引きするほうが、相手の不安を刺激せずに済むと思います。
もし相手がダダをこねたら、何も言葉をかけずに放置しましょう。電話なら「ごめんね。切るよ」と言って切ってください。
善良な方ほど反応してしまうと思いますが、それだと相手の思うツボ。こちらも「強気の姿勢」と「嫌われる勇気」が必要です。
相手も自分の人生を自分で決定できる大人ですから、あなたが罪悪感を感じる必要はありません。
「相手の問題」と「自分の問題」を切り離して、くれぐれも「相手の問題」に巻き込まれないようにしてくださいね。
いきなり突き放すのではなく、自分から接触して自分から切り上げる「付かず離れず」で、徐々にフェイドアウトするのが理想的です。
受け身でいると相手のペースに巻き込まれるので要注意。あなたを良いように利用する人に対して、負うべき義務も責任も無いことを強く意識して、自信を持って「ノー」を貫いてください。
(心を病んだお子さんが相手の場合、この対処法はNGです。親御さんが愛情を与えて来なかったツケを払わない限り、問題は解決しません。この件については別の記事をお読みください)
ちなみに、なぜ支配的な人に出会うのかは、最終章で説明します。
心身が弱っている時の対処法
心や体が弱っている場合は、対策を講じるよりも環境を変えることをお勧めします。弱った状態を回復することが最優先だからです。
私の話をしますと、以前、ある手術を受ける際に、薬の副作用で心身ともにつらかった時期がありました。
ところが同じ時期に、支配的かつ攻撃的な同僚の手伝いをすることになり、「私の言う通りにやって!」「こうでしょ!」と、毎日ガミガミ口撃されて体調も悪化。
上司でもないのに高圧的で、キツイ命令口調にすっかり委縮してしまい、手術前の検査結果にも悪影響が出ていました。
帰国子女の同僚は自己主張が強く、自分が一番エライと思い込んでいます。対する私は感受性が強いエンパスで、攻撃的なエネルギーを直に受けてしまいます。
「ノー」という元気がない時は、速やかに攻撃的な人から離れることが最善の対処法です。
私の場合は「うるさい人だから従ってしまおう」と相手に合わせた結果、自分の体調を悪化させてしまいました。
自分に優しくして、まずは体を大事にしてください。我慢して合わない人と一緒にいる必要はありません。
なお、体調が回復してからで結構ですので、最終章に記載した「支配的な人に出会う理由」を考えてみてくださいね。
罪悪感を与える支配的な毒親:共依存親子
自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先して、後悔や怒りを感じるのなら、自分の弱点(生き方のクセ)を自覚するのも大切なことです。
利害関係があると難しいですが、「修羅場」を避けても問題は解決しません。せめて一度は明確な意思表示をして、自分と相手の「境界線」を伝えましょう。
親子問題で言えば、なんだかんだ共依存親子はお互いに甘えているといつも感じます。子供も子供で、メリットを享受していますから。
何度もブログに書いていますが、良いとこ取りはダメですよ。そうやって親を利用しているかぎり、あなたも親に利用されます。お互い様ですよね?
支配欲求が強い親に対しては、取引先と付き合うような距離感で接しましょう。もしくは「隣家のおばさん」くらいでも、いいかもしれません。
よそよそしくもなく、なれなれしくもない、程よい距離感を見つけてください。
相手に期待しない、相手を変えようとしないこと。早く自立しましょう。
支配的な人に出会う理由
ここまで「罪悪感を与えて他人をコントロールする人」の問題点ばかり書いてきましたが、すべての出会いに意味があります。
「他人」は自分の心を映し出す「鏡」ですからね😊
彼/彼女たちは、あなたにメッセージを伝えているのです。
「支配的な人」=「不安が強い人」です。
あなたの中に「不安」があると、相手の不安と共鳴して、「不安を感じる体験」を引き起こしてしまいます。
不安が強い人は支配的になりやすいので、あなたもお気を付けくださいね。
「支配的な人に絡まれやすい」「私は繊細」と思っている方は、支配的な人と同じエゴ(思い込み)が反応しています。
他人=自分ですから、他人事ではありません。「似た者同士」が同族嫌悪で反応します。
ご自身の「心」を点検してみましょう。
あなたも「支配的なところ」はありませんか?(無自覚な人が多いです。相談しているつもりで、自分の意見を押し付ける人もいます)
何かしら、うまく行っていない事や滞っている事はありませんか?
これまでの生き方を変えたほうがラクになれるのに、変えてこなかったのではありませんか?
向き合うべき心の傷(親子問題)を避けていませんか?
自分を苦しめる「自己否定」はありませんか?
人生の困難は「成長しなさい」というメッセージ。
対人トラブルで最も多い原因は、過去の親子関係でイヤだった体験を繰り返しているケースです。
この場合は、専門家の手を借りて、心の傷を癒すことをお勧めします。私も専門家に相談して、自分を癒やしてきました。
うすうす気づいてはいたけれど「先延ばししてきた課題」が無いか、自問してみてくださいね。
人生では必要なときに必要なことが起こります。運命に抵抗せず、学びを受け入れましょう。
「イヤな体験」から自分の「生き方のクセ」を学ぶことで、同じ体験を繰り返すことがなくなります。
気づくと癒える・学ぶと解放されるのです。
「自分の心」と向き合いましょう😊