カサンドラ症候群とアダルトチルドレンの共通点
カサンドラで相談する方は、ご自身も発達障害や自己愛性パーソナリティ障害、アダルトチルドレンに見られる「共依存」の問題を抱えていると感じます。
自分との調和が取れておらず、エゴ(自己防衛意識からの依存・執着・攻撃性)が強くなっていることが、問題の原因ではないでしょうか。
自分に愛を与えないカサンドラ
2020.8.30 追記
親から愛情をもらうため
自分の本音や感情を抑圧する
↓
自分に関心が無くなる
↓
頑固(心が淋しい状態)になる
↓
感謝の念が無くなる
↓
プライドが高く、傲慢になる
↓
”毒親”予備軍になる
夫の問題は、自分の問題(マイナスの思い込み・エゴ)に気づくキッカケでしかありません。あなたが自分に無関心なことが一番の問題だと私は思います。
あなたは幼少期に親から愛情をもらうため、本音や感情を抑圧して、自分に関心を持たなくなったのではないでしょうか。でも、それは仕方のないことです。ご自分を責めないでくださいね。
ただ厄介なことに、偽りの自分(いい子/いい人/他人軸)を生きることで、人に依存して生きてきた結果、自分の問題を大きくしてしまった、とも言えます。
私がこれまで出会ったカサンドラさんは、一見「素直で従順」そうですが、実際には「とても頑固」で、自分の正しさを主張する「攻撃性の強さ」が目立ちました。
誰でも自分のことを”いい人”だと思いたいので、自分の中にある攻撃性やズルさを認めません。でも、隠したい欠点や弱点も、大事な自分の一部として認めて許すことが自分への愛なのです。
つまり、「好きな自分」だけを受け入れて、「不都合な自分」や「嫌いな自分」を認めない(自分に愛を与えない)ことが真の問題だと私は捉えています。
たまたま私の相談者に多いのかもしれませんが、「私は悪くない」という自己正当化は定番です。本人のエゴを指摘すると、「私は被害者なのに」と逆ギレされることもあります。
被害者/加害者、相手が悪い/私は悪くないなど、二項対立(白か黒か)の思考がエゴの特徴です。ただ、厳しいようですが、共依存に被害者も加害者もありません。
お互いにメリットがあるから共依存になると気づけば道は開けます。つまり”似た者夫婦”なのです。心身の不調があるのでしたら、病気を創り出すくらい、自分を否定して自分に愛を与えることなく、頑なに生きてきたということ。
被害者意識(退行欲求)から当事者意識(成長欲求)への意識転換が必要です。私たちの心は、「子供の人格から大人の人格への成長」を望んでいるため、被害者意識が強い人は自分で自分を苦しめます。
孤独を恐れて共依存になる
親子でもカサンドラ状態になるらしいので、もしかすると私もカサンドラに近い状況だったかもしれません。
私の父は癇癪がひどいADHD、母が自己愛性人格障害です。二人とも自己中心的世界観で生きており、暴力的で情緒的交流ができず、虐待を受けて育ちました。
両親は共感能力と反省能力が欠落しているため、「人の気持ちが分からない」という自覚がなく、「ごめんなさい」と「ありがとう」を聞いたこともありません。
カサンドラ症候群で苦しむ方には不本意かもしれませんが、人間は「似た者同士」でしか一緒にいられないため、夫婦のどちらかに問題があれば、もう片方にも同じ問題があるものです。
私の両親や相談者さんを見ていると、発達障害者と結婚する側にも「心理的問題」や「共感能力の問題」を感じずにはいられません。人間関係が壊れる時の責任割合が10:0は無いと私は考えます。
必要として似た者同士のパートナーと縁を作っているので、二人の共通課題を学び終えるまでは縁が続くのです。
私が相談を受けた限りでは、アスペルガー夫もカサンドラ妻も、親が適切に承認欲求を満たさなかったアダルトチルドレンが多く、愛情飢餓の連鎖を感じました。
無意識の必要性で惹かれ合い、孤独から逃れるために共依存関係を築くため、発達障害と愛着障害は切り離せない問題です。
カサンドラ症候群の方に必要なのは、「他者の共感」よりも「自立」ではないでしょうか。自立しなければ、これからも他人に振り回され続けます。依存を続けたいか、自立したいか、自問してください。
自分を理解すると人からも理解される
相談者の中には、「誰も理解してくれない!」と怒りをぶちまける方もいますが、ご本人の依存心の強さが不満の強さに比例していると私は思います。「親が毒親なんです!」と訴えるアダルトチルドレンに共通する依存心です。
特に、幼児的愛情欲求(受け身の願望)が強い「くれない族」は、自分の期待を満たしてくれない相手を攻撃して、自ら孤立を招いている可能性もあります。
また、自分と他人の境界線が確立しておらず、0か100かで考える「白黒思考のエゴ」も多いです。エゴ(認知のゆがみ・マイナスの思い込み)を克服しないと、苦痛から解放されないでしょう。
私も似たような状況から自立した体験があるため、応援の意味で申し上げますが、周囲に理解者がいないということは、自分も他者を理解できていないと考えられます。
実際、「私は理解してもらって当然だけど、私が周囲を理解する必要はない」と考えるカサンドラもいます。
少なくとも私が相談を伺った限りでは、結婚生活から苦しみが始まったわけではなく、これまでの人間関係や親子関係で、何らかの問題を抱えていると感じました。
もし、現状を少しでも改善したいのであれば、他人に理解を求める前に「自分」を深く理解することをお勧めします。なぜ彼を必要としたのかを思い出してください。答えはそこにあります。
極端な例ですが、「DVを受けているが、働きたくないから夫と仲良くしたい。離婚したくない」と仰った方がおり、ご本人の潜在意識からも「解決されると困る」と私に訴えてきたことがありました。
自分の問題を理解して自立する
自分が解決すべき「自分の問題」と他者が解決すべき「他者の問題」を切り離して、あなたは自分の問題だけに向き合ってください。
以前、私は6年間うつ病を患い、自殺未遂を繰り返していましたが、両親から「自分たちには関係ない」と見捨てられて親を恨みました。でも、その時の悔しさや怒りを「自立」に役立てることができたので、今では両親に感謝しています。
親子も夫婦も「鏡の関係」ですので、自分が成長しなければ解決しません。自分を粗末に扱うのはやめて、本当の意味で自分を大切にしてください。「心理的成長」こそ、本物の癒やしです。
離婚も「自分を大切にする方法」だと思いますが、なぜそのような相手と縁を作ったのかを深く考えて、自分の中で「答え」を見つけないと、同じ問題を繰り返すでしょう。