ACは受容(母なるもの)が不足している
かつて私もそうでしたが、機能不全家族で育った方々に共通していることのひとつは、母親から承認される欲求(子供に必要な甘え/受容)が満たされていないことではないでしょうか。
あるいは【母なるもの】との一体感が不足していると言えるかもしれません。
いつも何かが足りない空虚感、虚無感、寂寥感がある方は、母親からの受容体験が十分でなかった可能性が高いです。
ただこれは、何も母親に限った話ではなく、父親が子供の承認欲求を満たしていないこともあります。
ちなみに男性でも女性性(受容・情緒の豊かさetc)がバランスよく機能している方であれば、性別関係なく【母なるもの】を子供に与えることは可能です。
親が子を愛する気持ちは、男性も女性も同じですから。
結婚前に「欠乏感を癒やす」ことが大切
「丸ごと自分を受け入れて欲しい。自分の存在を認めて欲しい」という承認欲求(甘え/受容)を養育者に無視され続けた結果、自己肯定感が育めないなど、心に大きな傷を残している方はたくさんいらっしゃいます。
「心のより所/精神的基盤」が形成されないまま大人になった人たちが、アダルトチルドレンと呼ばれる人たちなのでしょう。
”本命”の母親からは甘えを満たしてもらえず、「慢性的な欠乏感」に包まれています。
問題となるのは、多くの人がこの愛情飢餓(愛情欲求)を母親以外の人間関係で満たそうとするので、自分や家族、あるいは周囲の人を苦しめています。
しかも無意識にやっていることですから、ご本人は共依存に気づけません。
機能不全家族の権威である斎藤学先生のご著書によりますと、日本の家族の8割が機能不全に陥っているそうです。
母親自身の「欠乏感」が満たされていないと、子供に愛情を注げない原因になるので、結婚前に「欠乏感を癒やす」ことが大切ではないかと私は考えています。
なお、他人に依存して生きていることに無自覚な人も多く、配偶者や家族、恋人、友人、職場、学校など様々な人間関係で「問題ある交流パターン」を繰り返します。
特に家族間なら子供、会社なら部下のように、自分よりも立場の弱い者に対して自分の欠乏感を満たす言動が出やすいようです。
あなたの甘えを満たすのはあなたの仕事
大人になった今も影響を受けている【人生早期の身体的・情緒的コミュニケーション】は、人間にとって「バランスの良い食事」と同じくらい大切なものと言えるのではないでしょうか。
「体の健康」も「心の健康」も、育むためには【栄養】が必要ということですね。
その【栄養】が充分でなかった人は、今からでも自分で自分に与えることができます。
時間をかけて「等身大の自分」と向き合いましょう。あなたの心を満たせるのは、恋人でも結婚でも子供でもなく「あなた自身」しかいません。
誰もあなたを癒せないのですが、そのことに気付きがないまま恋愛や結婚で「母性愛や父性愛」を求めるので、多くの夫婦で問題が深刻化しています。
夫婦間だけで収まればよいのですが、実際には子供の心を傷つけ、病気にまでしていることもあります。
親になる前に自立(エゴに気づいて健全な自己愛を育む生き方)をした大人になるのは、家族全体が幸せになるために必要不可欠でしょう。
人に求めなければいられない依存状態では、子供を虐待する親になります。
厳しいことをいろいろと書きましたが、人間に生まれた宿命として「学びと成長」「自立と統合」の体験が生涯続きます。自立したあなたが本当のあなたです。