愛するということ①愛は技術と練習が必要

夫婦・恋愛

エーリッヒ・フロム『愛するということ』より

愛は技術である

愛というものは、
その人の成熟の度合いに関わりなく
誰もが簡単に浸れるような感情ではない

自分の人格全体を発達させ
それが生産的な方向に向くよう
全力をあげて努力しないかぎり
人を愛そうとしてもかならず失敗する

愛は「心の技術」ですから、練習しないとできるようになりません。練習もすることなく、自然に愛することはできないのです。

生まれつきそなわっている能力でもなく、誰でもができることではありません。人格全体を発達させ、成熟しないと人を愛せないのです。

(三島コメント)人格が未発達なまま恋愛や結婚をする人は、愛ではなく依存・執着の関係で成り立っていると私も感じます。

日本の家庭の約9割が機能不全に陥っているそうなので、本物の「愛」で成立したカップルは1割程度でしょうか。人は無意識に「恋に落ちる」のかもしれませんが、無意識に「人を愛する」ことはできないのですね。

理想的な成長ステップ

人の「生き死に」を左右するくらい「愛」は凄いものであり、その出発点は「母の愛」です。赤ん坊は自分が世界の中心ですが、そのままでいると人を愛せません。

【0歳】
生まれて初めて出会うのは「母の愛」であり、生きてさえいれば母親に無条件の愛をもらえる。愛されるのに努力が必要ない状態。子供が母親に感じているのは温もり、食べ物、満足と安全の快い状態。

【8.5~10歳】
子供にとって問題なのは愛されることだけ。愛されることには反応するが、まだ自分から愛することはできない。
※この時期を少し過ぎると、子供から母親に何かを贈ることを思いつく。愛されることから、愛されるという感情が生まれてくる。

【思春期】
多くの人と関わることで、自己中心的な考えを克服する。自分の欲求よりも他人が大事になり、愛されるよりも愛するほうが喜ばしくなる。

その後は、長い年月をかけて愛が成熟する。

人を愛するには、自分を成長させて「自分の世界」から一歩出ないといけないのです。つまり「自分の成長」と共に「愛する能力」は育まれるということですね。

(三島コメント)ナルシシズムに浸って「自分の世界」から出られないのが、自己愛性人格障害などの自己愛が強い人。だからナルシストは孤独なんですよねぇ…。

自分の世界から出られないから、誰とも心の交流ができない。そして本当の自分を見失う。もちろん本人はそんなこと少しも認めませんけど。 常に人に囲まれた”人気者”だと吹聴します。

愛に関する3つの誤解

愛の誤解1

たいていの人は愛の問題を
愛する能力の問題としてではなく
愛されるという問題として捉えている

愛に悩む人は、愛して欲しいと人に要求ばかりして、相手に与えるということを知りません。自分が愛されることしか考えず、「どうすれば愛される人間になれるか」を重要視しています。

これでは、何もしなくても愛されるという赤ん坊のまま成長が無いも同然です。

愛の誤解2

愛の問題とは
すなわち対象の問題であって
能力の問題ではないという思い込み

愛することは簡単だが
愛するにふさわしい相手
あるいは愛されるにふさわしい相手を
見つけることは難しいと考えている

「愛すること」の努力を怠り、相手をゲットすることばかりに気を取られ、愛する【対象】を見つけることにエネルギーを注ぐのも問題があります。

愛の問題を自分の【能力】の問題とは考えず、相手が見つからないことが問題と思い込んでいるのです。

実際は、愛すべき人がいないことではなく、愛する技術を持っていないことが問題であるというのに。

愛の誤解3

たがいに夢中になった状態
頭に血がのぼった状態を
愛の強さの証拠だと思い込む

情熱的な感情を「永続的な愛」と混同するのも、よくある誤解ですね。本物と偽物の愛の違いは「持続性」です。

また、デパートのように、自分が簡単に好きな相手を選べると考えている人も多く、飽きたら交換可能だと考える人もいます。

愛するとは愛を与える技術

幼稚な愛は「愛されているから愛する」という原則に従う
成熟した愛は「愛するから愛される」という原則に従う。

未成熟の愛は「あなたが必要だから、あなたを愛する」と言い
成熟した愛は「あなたを愛しているから、あなたが必要だ」と言う。

人間は愛されることから人生が始まります。そのままの状態では人間として成熟せず、愛することができて、初めて人間として一歩前へ出られるのです。

そのくらい人間にとって「愛する」ことは、とても大事なことなのです。

心は「年を取れば成熟する」というものではありません。「愛するということ」は愛を与えることですが、自然に愛を与えられるようにはならないのです。

愛を与える技術があって、それを練習する必要があります。

自立コーチ三島

 
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■毒親相談.com主宰 三島恵実
(うつ病・毒親サバイバー)
 
野村證券在籍中に20代でうつ病を発症。
 
自殺未遂を繰り返したのち、セラピーに通い、うつ病と毒親(父が発達障害・母が自己愛性人格障害)の問題を克服。
 
2014年「これでよかった。十分だ」という内なる声と共に、圧倒的な至福感が湧き上がる体験をする。
 
その際、「両親が成長と目覚めの協力者」という「人生のしくみ」に気づく。
 
現在、「意識の成長と目覚め」を目的として、苦しみを心の解放につなげる自立コーチングを提供中。
 
オールドソウル(輪廻転生を卒業するたましい)

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