怒りはニセの感情
「怒り」は心の傷(本当の欲求や感情)を隠すフタのような性質があり、私たちのコミュニケーションを阻害します。
怒る
⇒コミュニケーションがうまくいかない
⇒失望
⇒満たされないのでまた怒る
以下 繰り返し
「本当の欲求や感情」がどんどん奥に追いやられるため、傷ついている方は、溜めこむ前に「怒り」を言葉にして表現することがとても重要です。
このコミュニケーション不全が長年続くと「怒り」が限界に達し、大爆発と共にフタが外れて、ようやく「本当の欲求や感情」が出てくることもあります。
つまり「我慢」は問題の解決方法ではないのです。
ご存知の方も多いと思いますが、私たちの体には「怒り」という「ニセの感情」の下に、たくさんの「本当の感情」がマグマのように蓄積されています。
母娘問題で傷ついている方が怒りを外に出す場合、手段は「日記に書く」でも良いですが、できればメールや電話で親に直接訴えかけるほうが、より良いかもしれません。
ただし状況に依るので、ご自身の判断で行動していただきたいのと、親に何も期待しないようにしてください。期待すると傷つきます。
恐いかもしれませんが、「心の傷」を癒すプロセスとして怒りの解放は避けられません。
最初は攻撃的な言葉しか出て来なくても、徐々に「寂しかった」「慰めて欲しかった」「抱きしめて欲しかった」「助けて欲しかった」という素直な感情が出てくるはず。
冷静になれる時が来たら、自分の中の「怒り」をしっかり感じて私は相手に何を求めているんだろうと観察してください。
親に期待して要求している自分に気づくことが大事です。これは「親に期待してはいけない」と、自己否定するのとはまったく違うのでご注意くださいね。
親に自分を正しく理解して欲しいと期待したり、愛情を要求するのは自然なこと。その欲求を抑圧するのではなく「気づく」のです。
「本当の自分」を取り戻す大事なプロセス
「怒り」は本当の感情ではなく「偽物」の感情
私自身の体験ですが、怒りを覚えるような困り事があった時に、親がすぐ助けてくれなかったことがありました。
困り事だけでなく、親の対応にもガッカリした私は、それまで言いたくても言えなかった疑問や怒りをメールで親に送ったのです。
翌日、再び怒りを覚える困った事態が発生してしまい、葛藤があったものの、他に頼れる人がいないと決意して親に電話しました。
すると、私の口から出てきたのは「助けて」という言葉。
「苦しい助けて!」という心の叫び声がようやく出せたのです。
相談者様の中には、「傷つくことが恐くて親に怒りをぶつけるなんてできない!」と潜在的に拒否する方もいます。
でも、自分の感情を適切に表現することは「本当の自分」を取り戻す大事なプロセスです。