両親は「学びと成長」の教材
自分の中のエゴ(承認欲求・欠乏感)に気づくことで、家族やその他の人間関係が改善する可能性は大いにあります。
「自分は何に執着しているのだろう」と客観的視点で自問すると、絡まった糸が少し解けることでしょう。
そして、あなた自身がエゴに気づくと、同じエゴに苦しむ家族を救うことにつながります。人生の問題は成長することでしか解決できないことも多いのです…。
学ばないかぎり同じ問題を繰り返しますが、成長すれば今まで問題だと思っていたことが、問題で無くなります。不思議なことに、”気にしない”のではなく”気にならなくなる”のです。
私自身、自立(エゴに気づいて健全な自己愛を育む生き方)を体験的に学んで納得しましたが、親も子も「学びと成長」にベストな相手を選んでいます。
でも、これについては沢山の葛藤を乗り越えないと、分からないかもしれません…。
私は両親のお陰で大きく成長できたので、今では両親に感謝しています。もちろん、簡単なことではないですから、この心境に至るまでには10年以上もかかりました。
そんな元アダルトチルドレンの私ですが、セッションしていて気になるのは、なんだかんだ言い訳して、母親と向き合おうとしない方が少なくないことです。
幼少期に親から深く傷つけられると、親に自己主張するのが恐く感じるのも当然です。でも、今のあなたは自分の力で生きていくことができる大人ですから、親の顔色を伺う必要はありませんよね?
それができないのは、共依存にもメリットがあり、それを手放すことに不安があるから。まだまだ子供の立場に執着して、母親に甘えたいのではないでしょうか?
私は「それだけ余裕があれば、まだ自立する気になれませんよ。人間は傲慢な生きものですから、自分が困らないかぎり自分を変えようとしません」とお話しします。
母親と娘のどちらかが自立を「覚悟」しないかぎり、死ぬまで共依存は続きます。そして母親が亡くなった後は、「怒り」をぶつける相手がいなくなることで怒りが悪化します。
こうなると苦しみは増すだけです。あなたの中の「怒り」を母親にぶつけて「自分を主張」しないかぎり、問題は解決しません。
恐いとは思いますが、エゴに向き合う覚悟をしたほうが後々ラクになれるのです。私としては、勇気を出してその体験をしていただきたいと願っています。
もし傷ついても、それは自立の第一歩として必要なプロセスです。傷つくことを避けて自立はできません。
人間が成長するプロセスは、傷つく⇒(今までの自分に)気づく⇒(新しい自分を)築くです。
避けられない”成長痛”を避けようとすると、余計に苦しくなります。 親と会う回数を減らし、自分の力で生きる覚悟をすることで、ようやく母娘が自立できるのです。
自立は一進一退
もし、一旦改善した関係がふたたび悪くなったとしても、それは必要な学びがあってのことですから、ガッカリすることはありません。すべては「無常」と心得ておきましょう。
起こる出来事に抵抗しない、執着しない、良し悪しの判断をしないのは、ラクに生きるコツ(エックハルトトール)
抽象的な表現になってしまいますが、再度【大きな愛】になればいいのです。私たちは人間である前に、スピリチュアルな存在です。
生涯にわたり、成長する覚悟で人間に生まれているので、問題が起きたら、それは成長のチャンス。自分が大きく成長すれば、相手を大きく包み込むことができます。
親と同じレベルでは足りません。苦しいかもしれませんが、この成長体験があなたを救います。あなたが自立すると、母親との関係に必ず変化が出ます。
ただし、葛藤を乗り越える体験をせずに「母親も子供の頃に傷ついているから」などと、理解を示すフリをする良い子は要注意。
自分にウソをつくと、のちのち「本音と建前」の不調和が現実に表れます。
「良い子でなければ親から愛されない」「親を憎んではいけない」といった思い込み(エゴ)で、「自分の本心」にフタをしてしまうと傷が膿んで悪化してしまうのです。
「憎むまい」と思う前に、自分の中にある「悲しみや怒り」を認めることから始めましょう。葛藤なくして成長なし、成長なくして問題解決なしですよ。
自立(エゴを克服した自己信頼)は幸福な人生の基本です。


